栃木県那須町で発生した雪崩事故が、大きな話題になっています。
中でも栃木県立大田原高等学校山岳部の部員と教員が、大きな被害を受けてしまいました。
この記事では
「表層雪崩とは一体どういうものなのか」
「雪崩による死因」
「大田原高校の山岳部は廃部になってしまうのか」
について、詳しくご紹介したいと思います。
表層雪崩とは?
栃木県那須町湯本の那須温泉ファミリースキー場で発生した雪崩事故は、表層雪崩によるものではないかといわれています。
雪崩は山の斜面に積もった雪が、重力の作用によって斜面の下に滑り落ちる自然現象です。
雪崩には表層雪崩と全層雪崩の2種類がありますが、春山安全登山講習会での雪崩事故は表層雪崩でした。
表層雪崩は下記の条件が重なると、特に発生しやすいとされています。
- 気温が低い
- 雪が多く積もっている時に、さらに降雪がある
- 0度以下の気温が続く
- 吹雪や強風がある
- 強風により雪庇(せっぴと呼ばれる雪の塊)や吹き溜まりが斜面に出来たとき
- 35度~45度の急斜面
- 斜面に樹木が少ない
表層雪崩は1月から2月ごろに発生することが多いと一般的には言われています。
3月27日の事故発生時の栃木県那須町では、低気圧の発達により気温が0℃前後、猛吹雪により積雪も30cm積み重なっていたようです。
雪崩注意報も発令していましたが、結果として栃木県立大田原高等学校山岳部の生徒7名と教員1名の合計8名が死亡するという大惨事になってしまいました。
次に、雪崩による死因についてお話したいと思います。
雪崩による死因は?
雪崩による死因は様々ですが、下記のように分類されます。
- 窒息死
- 外傷死
- 低体温症
比率で見てみると窒息死が4分の3以上を占めています。
雪崩に巻き込まれた時には、瞬時に口の周りを両手で覆って空気のポケットを作ると、急性窒息を防ぐことができます。
ただし雪に埋まってから35分以上経過してしまうと、空気のポケットもふさがってしまうことが多く、窒息死に至るケースが多いということです。
雪崩は数トンの雪が一気に滑り落ちてきます。
表層雪崩の場合は最大時速が200kmに達する事もあり、体に大きな衝撃を受けてしまうことになります。
雪崩に巻き込まれあと、斜面の樹木に体がぶつかったり雪が固まった地面に叩きつけられることもあり、大きな外傷を負ってしまうというわけです。
大田原高等学校山岳部の雪崩事故は、8人全員が圧死によるものだと発表されています。
大田原高等学校山岳部は廃部か
あまりにも痛ましい雪崩事故により、大田原高等学校山岳部は廃部の道を辿ることになるのでしょうか。
大高山岳部の部員数は40名で、内訳は3年14名、2年18名、1年8名だったようです。
下の画像は大田原高等学校山岳部が、白峰三山で撮影した写真です。
出典:www.tochigi-edu.ed.jp/otawara/nc2/?page_id=92
登山競技の県大会では9連覇しており、全国大会に連続出場を果たす強豪校としても知られていました。
大田原高等学校山岳部の顧問は複数いたようですが、栃木県でも有名な山のエキスパートも顧問に名を連ねていたようですね。
栃木春山安全登山講習会での引率教諭が、山のエキスパートと呼ばれた顧問かは分かっていませんが、自然に前には無力だったのかもしれません。
名門山岳部ではありますが、入部している子どもたちの親からしたら、すぐにでも退部してほしいと思ってしまうんじゃないでしょうか。
新学期からは休部か廃部の可能性が高そうですね。
まとめ
雪崩によって7高校の登山部員と引率教員の計48人が巻き込まれてしまいました。
今後は業務上過失致死傷容疑の疑いがあるとして、捜査が進展していくようです。
引率教員の読みの甘さが最悪の事態を招いてしまったのかなと思います。
雪崩注意報により登山を中止したのなら、ラッセル訓練も不要だったのではないかと。
はっきり言って人災ですから、徹底的に原因の究明と今後の対策を進めてほしいと思います。
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